MT4の提供終了は、MetaQuotes社が一律に決めているものではなく、個々のFX会社が自社のサービス方針として順次判断しているものです。長くMT4を使ってきた方がまず行うべきことは、ご自身が利用している会社の公式サイトやお知らせページでMT4提供終了とMT5移行の予定を確認し、EAやインジケーター、チャート設定を移行する時間の余裕を持って準備することです。以下では、MT4の提供終了が進む背景、MT4とMT5の主な違い、チャート・EA設定がどうなるか、MT5へ移行する前に確認しておきたいポイントを整理します。
- MT4の提供終了が相次いでいる背景
- MT4とMT5の主な違い
- MT5への移行前に確認しておきたいポイント
なぜ今、複数のFX会社でMT4の提供終了が進んでいるのか
MT4の提供終了が相次いでいる主な理由は、開発元のMetaQuotes社がMT4を長期的な更新・サポートの中心として位置づけなくなっていることに加えて、各FX会社がシステムの保守体制やセキュリティ面を踏まえて、独自にMT4提供の終了を判断しているためです。なお、MT4がどのようなプラットフォームかを改めて確認したい方は、MT4とは?初心者向けに基本機能と使い方を中立解説の記事もあわせてご覧ください。
MetaQuotes社によるMT4の位置づけの変化
MetaQuotes社は公式に、2025年7月1日以降、一定のビルドより古いMT4・MT5のデスクトップ端末はブローカーのサーバーへ接続できなくなると案内しています(MetaQuotes公式サイト)。また、MT4はMT5より前に開発されたプラットフォームであり、新規ライセンスの発行がすでに停止されていると報じられています。こうした背景から、多くのFX会社が、MT4を長期的に維持し続けるより、後継にあたるMT5への移行を進める方向で検討していると考えられます。
各社が個別にMT4提供終了を判断する理由
MT4の提供終了は、MetaQuotes社が一斉に指示しているものではなく、システムの保守体制や利用者数、代替プラットフォームへの移行コストなど、各FX会社の事情によって個別に判断されています。そのため、終了時期や移行手順は会社ごとに異なります。例えば、OANDA証券は2026年9月25日にMT4での新規注文の受付を停止し、2026年11月27日の取引終了をもってMT4へのログインを含めた提供を終了する予定であることを公式に案内しています(OANDA証券公式サイト)。また、JFX株式会社は2026年8月19日10時にMT4サービスをすでに終了しています(JFX株式会社公式サイト)。これらはあくまで一例であり、ご自身が利用している会社の状況とは異なる場合があるため、必ず利用会社の公式アナウンスで確認してください。
MT4とMT5は何が違うのか
MT4とMT5の大きな違いは、EA(自動売買プログラム)やインジケーターを作成する際に使うプログラム言語と、それに伴う機能面の違いです。
| 比較項目 | MT4 | MT5 |
|---|---|---|
| EA・インジケーターの言語 | MQL4 | MQL5 |
| EAの互換性 | MT5では基本的に動作しない | MT4用のEAをそのまま使うことはできない |
| 開発・提供の位置づけ | 後継プラットフォームへの移行が進められている | 現行の主力プラットフォームとして提供が続けられている |
表のとおり、MT4用のEA(拡張子.ex4)やインジケーターは、MT5ではそのまま動作しません。MT5で同じロジックを使うには、MQL5でソースコードを書き直してコンパイルし直す必要があります。
EA・インジケーターの言語とプログラムの互換性
MT4はMQL4、MT5はMQL5という別のプログラム言語を使っており、ファイル形式も.ex4と.ex5で異なります。そのため、.ex4のファイルをそのまま.ex5として使うことはできず、元のソースコード(.mq4)をMQL5用に書き直して、MT5上で改めてコンパイルする作業が必要になります。無料で配布されているEAやインジケーターを使う場合は、動作環境や安全性を改めて確認しておくことが大切です。この点については、MT4の無料EA・インジケーターを使う前に確認したい安全対策の記事もご参照ください。
チャート表示や検証機能などの違い
MT5への移行を案内する会社の中には、時間足の種類が増える、バックテストの精度が上がるといった点をMT5の利点として挙げるところもあります。ただし、実際に使える機能や表示内容は利用している会社のシステムによって異なるため、詳細はご自身が利用している会社の公式情報で確認してください。
MT4が終了すると、これまでのチャート設定やEA設定はどうなるのか
MT4の提供が終了すると、その会社のMT4環境自体が使えなくなるため、これまで設定してきたチャートのテンプレートやカスタムインジケーター、EAの設定が自動的にMT5へ引き継がれるとは限りません。
EA・インジケーターの再設定
MT4で使っていたEAやインジケーターは、前述のとおりMT5でそのまま動作しないため、MT5対応版への入れ替えや再設定が必要になります。販売元・提供元がMT5版を用意しているかどうかは製品によって異なるため、移行前に提供元へ確認しておくと安心です。
保有ポジション・口座情報の確認
MT4提供終了に伴う保有ポジションの取扱いについては、会社によって案内内容が異なります。例えばOANDA証券は、残っているポジションの取扱いについて、詳細が決まり次第あらためて案内するとしています。取引中のポジションがある場合は、余裕を持って利用会社のお知らせやサポート窓口で最新情報を確認することが重要です。
MT5へ移行する前に確認しておきたいこと
MT5へ移行する際、日付や手順を確認しないまま進めると、ログインできなくなったり、必要な設定を再現し忘れたりする可能性があるため、次のような点を事前に確認しておくと安心です。
- 利用している会社の公式サイトで、MT4提供終了日とMT5移行の案内内容を確認する
- MT5用のログインIDやパスワードが、MT4用のものと別に発行されていないか確認する
- 使用しているEA・インジケーターがMT5に対応しているか、提供元や販売元に確認する
- よく使うチャートのテンプレートや描画設定を、事前にメモまたはエクスポートしておく
- 保有中のポジションや注文がある場合、移行にあたっての取扱いを確認する
- MT5の操作にデモ口座などで慣れておく
ログイン情報・パスワードの確認
MT4からMT5への移行に伴い、MT5用のログイン情報がMT4や他システムのパスワードとは別に発行される場合があります。細かな手続きは利用会社によって異なるため、案内メールやお知らせページの内容を確認してください。
チャート設定・EA動作の事前確認
移行後にすぐ本番口座で取引を再開するのではなく、まずはチャート設定やEAの動作を確認してから利用を始めると、意図しない設定のまま取引してしまう事態を避けやすくなります。
今後もMT4を使い続けられる会社はあるのか
結論として、MT4の提供を今後も続けるかどうかは会社ごとの方針によって異なり、本記事の執筆時点で全社が一律にMT4を終了しているわけではありません。ただし、対応状況は今後変わる可能性があるため、特定の会社を前提に判断せず、利用中または検討中の会社の公式サイトで最新の提供状況を確認することが基本になります。
提供状況は今後も変わる可能性がある
MT4の提供有無や終了予定は、記事執筆時点の情報であっても、その後の会社の判断によって更新される可能性があります。特定の会社について「今後も使い続けられる」と断定することは避け、公式サイトのお知らせページを定期的に確認することをおすすめします。
確認する際に見ておきたいポイント
確認する際は、公式サイトの重要なお知らせやニュースリリース、MT4・MT5の対応状況を示すページなど、一次情報を優先して参照してください。比較サイトやまとめ記事は最新の一次情報とは限らないため、必ず利用会社自身の発表と照らし合わせることが安全です。
MT4からMT5への移行を進める際に注意したいポイント
MT5への移行自体は、操作に慣れる時間を確保すれば大きな支障なく進められる場合が多い一方で、チャート設定やEAの動作確認が不十分なまま本番口座で取引を再開すると、意図しない注文設定のまま取引してしまうおそれがあります。
- 利用している会社の公式アナウンスでMT4提供終了日とMT5移行の手続きを確認する
- MT5の環境を用意し、ログイン情報を確認する
- 必要なEA・インジケーターをMT5対応版へ入れ替え、デモ口座などで動作を確認する
- チャートのテンプレートや注文設定を再現し、想定どおりに動作するか確認してから本番の取引に利用する
本番取引前に確認しておきたいこと
特に、注文数量やロット設定、ストップロスなどの初期値は、MT4時代の設定がそのまま引き継がれるとは限りません。本番口座で取引を再開する前に、デモ口座や少額での動作確認を行い、意図した設定になっているかどうかを確認しておくと、思わぬ発注ミスを防ぎやすくなります。デモ口座での動作確認の進め方については、MT4デモ口座で学べること|実取引との違い・注意点・練習方法を解説の記事も参考にしてください。
困ったときの確認先
移行の手順やEAの動作について不明な点がある場合は、自己判断で進めず、利用している会社のサポート窓口や公式のヘルプページで確認することが、思わぬトラブルを避けるうえで有効です。
よくある質問(FAQ)
なぜ今、MT4の提供を終了するFX会社が増えているのですか?
MetaQuotes社がMT4の更新・サポート対象としての位置づけを変えつつあることに加えて、各FX会社がシステムの保守体制やセキュリティ面を考慮し、独自にMT4提供終了を判断しているためです。終了時期や理由の説明は会社によって異なるため、詳しくは利用会社の公式アナウンスをご確認ください。
MT4とMT5はどちらを使うべきですか?
どちらを使うかは、現在使っているEAやインジケーターの対応状況や、利用している会社が提供しているサービスによって変わります。MT4の提供終了が決まっている会社を利用している場合は、MT5への移行が実質的に必要になります。特定の取引手法を前提にした一律の判断はできないため、ご自身の利用環境に合わせて確認してください。
MT4が終了すると、これまでのチャート設定はすべて消えてしまいますか?
MT4環境自体が使えなくなるため、これまでのチャート設定やテンプレートが自動的にMT5へ引き継がれるとは限りません。必要な設定は事前にメモやエクスポートで控えておき、MT5側で改めて設定し直すことをおすすめします。
MT4用のEAはMT5でそのまま使えますか?
MT4用のEA(拡張子.ex4)は、プログラム言語の違いにより、MT5でそのまま動作させることはできません。同じロジックをMT5で使うには、MQL5でソースコードを書き直してコンパイルし直す必要があります。
今使っている会社がMT4を終了するかどうかは、どこで確認できますか?
最も確実なのは、利用している会社の公式サイトにあるお知らせページや、登録しているメールアドレス宛の通知を確認する方法です。比較サイトやまとめ記事の情報は更新が追いついていない場合があるため、判断の基準にはせず、必ず一次情報である公式発表を確認してください。
まとめ
MT4の提供終了は、MetaQuotes社が一律に指示しているものではなく、各FX会社がそれぞれの事情で判断している変化です。長くMT4を使ってきた方がまず行うべきことは、利用している会社の公式アナウンスでMT4提供終了とMT5移行のスケジュールを確認し、EAやインジケーター、チャート設定を移行する時間の余裕を持って準備することです。
- 背景:MetaQuotes社のMT4に対する位置づけの変化と、各社独自の判断が重なって提供終了が進んでいます。
- MT4とMT5の違い:プログラム言語(MQL4/MQL5)が異なり、MT4用のEAはそのままMT5では使えません。
- 移行前の確認:公式アナウンス、ログイン情報、EA・インジケーターの対応状況、チャート設定、保有ポジションの扱いを事前に確認しておくと安心です。
まずは、ご自身が利用している会社の公式サイトで、MT4提供終了の有無と今後の予定を確認することから始めてみてください。









