円を含む通貨ペアで1pipsを0.01円とする会社の場合、pipsを円にするには「pips×0.01円×通貨数」で計算でき、1万通貨なら1pipsあたり100円です。逆に円の損益をpipsに直すときは、損益の円を「通貨数×0.01円」で割ります。この記事では、通貨数別の早見表と円からpipsへの逆算を、架空の計算例で確認します。
ご注意:この記事の計算は値動きだけを対象にしたもので、スプレッド・手数料・スワップを含みません。数値はすべて計算方法を理解するための架空の例で、実際のレートや損益、将来の成果を示すものではありません。1pipsの値幅は会社によって異なるため、取引前にご自身の取引ルールで確認してください。
pipsを円に換算する基本式と、最初に確認すること
円を含む通貨ペアでは、損益(円)は「pips×1pipsの値幅(円)×通貨数」で求められます。1pipsを0.01円(1銭)とする会社なら、式は「損益(円)=pips×0.01円×通貨数」です。
円を含む通貨ペアの換算式
1pipsを0.01円とすると、1pipsあたりの円は「通貨数×0.01円」になります。たとえば1万通貨なら1pipsあたり100円です。100pipsは1円の値動きにあたるため、1万通貨で100pips動いたときの値動き分は、1円×1万通貨=1万円です。
- 1pipsあたりの円:通貨数×0.01円
- 損益(円):pips×1pipsあたりの円
- 値動きが不利な方向のとき:同じ大きさの損失(マイナス)になります
1pipsの値幅は会社ごとの定義を確認する
対円の通貨ペアでは0.01円(1銭)を1pipsとするのが一般的とされています(松井証券の用語解説)。一方で、OANDA証券の用語解説には、会社によっては1pipを0.001円(0.1銭)と定義するところもあると書かれています。外為どっとコムの解説も、円を含む通貨ペアの1pipsを0.001円(0.1銭)としています(いずれも2026年10月13日時点で確認した内容です)。
同じ「100pips」でも、0.01円の会社と0.001円の会社では円換算の金額が10倍違います。この記事の表と計算例は、1pips=0.01円の会社を前提にしています。0.001円の会社では、pipsから円への換算結果(表の金額など)は10分の1に、円からpipsへの逆算結果は10倍にして読み替えてください。1pipsの定義そのものの説明はFXピップ値計算機(pips計算)にまとめています。
数量は「ロット」ではなく「通貨数」で式に入れる
式に入れる数量は、ロット数ではなく通貨数です。1ロットが何通貨かは、会社やMT4/MT5の設定で異なります。ロットから通貨数への直し方はFXの1ロットは何通貨かを整理した記事で確認できます。
通貨数別のpips→円早見表(1pips=0.01円の場合)
1pips=0.01円なら、100pipsの値動きは1万通貨で1万円、3万通貨で3万円、5万通貨で5万円、10万通貨で10万円です。通貨数とpipsが増えるほど、円換算の金額は比例して大きくなります。
円を含む通貨ペアの早見表
| 通貨数 | 1pips | 10pips | 50pips | 100pips |
|---|---|---|---|---|
| 1,000通貨 | 10円 | 100円 | 500円 | 1,000円 |
| 1万通貨 | 100円 | 1,000円 | 5,000円 | 1万円 |
| 3万通貨 | 300円 | 3,000円 | 1万5,000円 | 3万円 |
| 5万通貨 | 500円 | 5,000円 | 2万5,000円 | 5万円 |
| 10万通貨 | 1,000円 | 1万円 | 5万円 | 10万円 |
表の金額は、値動きが有利な方向なら+、不利な方向なら-で読みます。たとえば5万通貨で50pips不利な方向に動けば、値動き分は2万5,000円の損失です。表は計算方法を示す架空の早見表で、スプレッドなどのコストは含みません。
表の読み方:通貨数とpipsは比例する
通貨数が2倍になれば円換算も2倍、pipsが2倍になっても円換算は2倍です。表にない値は、1pipsあたりの円(通貨数×0.01円)にpipsを掛ければ求められます。たとえば2万通貨で35pipsなら、200円×35=7,000円です(架空の計算例)。
1pips=0.001円の会社の場合
1pipsを0.001円とする会社では、1pipsあたりの円は「通貨数×0.001円」です。上の表の金額をすべて10分の1にした値になり、たとえば1万通貨の1pipsは10円です。同じ値動きの大きさ(円)を表すpipsは10倍の数字になるため、他社の記事やツールの数値と比べるときは、1pipsの定義がそろっているかを先に確認します。
円の損益をpipsに逆算する式と計算例
円の損益からpipsを求めるには、損益の円を「通貨数×0.01円」(1pipsあたりの円)で割ります。1pips=0.01円の会社の場合、損益の円を通貨数で割って円の値幅を出し、その値幅に100を掛けても同じ結果です。
逆算の式と手順
逆算は、換算式を逆向きに使うだけです。次の順に進めます。
- 1pipsあたりの円を求める(通貨数×0.01円)
- 損益の大きさ(円)を、1pipsあたりの円で割る
- 出た数字がpips(値動きの幅)で、利益か損失かは値動きの方向で決まる
この結果は値動きだけから逆算した幅です。スプレッドや手数料を含んだ実際の損益から逆算すると、コストの分だけ値動きの幅とは違う数字になります。
架空の計算例
次の3つは、計算の流れを確認するための架空の例です。実際のレートや成績を示すものではありません。
- 例1:1万通貨で損益の大きさが5,000円:1pipsあたり100円なので、5,000円÷100円=50pipsです。
- 例2:1万通貨で損益の大きさが63円:63円÷100円=0.63pipsです。1pipsに満たない小さな幅になります。
- 例3:5万通貨で損益の大きさが5万円:1pipsあたり500円なので、5万円÷500円=100pipsです。同じ5万円でも、1万通貨なら500pips、10万通貨なら50pipsになります。
損益の大きさ別の逆算早見表
損益の大きさ(円)と通貨数から、pipsを逆算した早見表です。1pips=0.01円の会社を前提にしており、利益でも損失でも同じ幅になります。小数は小数第2位で四捨五入しています。
| 損益の大きさ(円) | 1,000通貨 | 1万通貨 | 3万通貨 | 5万通貨 | 10万通貨 |
|---|---|---|---|---|---|
| 100円 | 10pips | 1pips | 0.33pips | 0.2pips | 0.1pips |
| 1,000円 | 100pips | 10pips | 3.33pips | 2pips | 1pips |
| 5,000円 | 500pips | 50pips | 16.67pips | 10pips | 5pips |
| 1万円 | 1,000pips | 100pips | 33.33pips | 20pips | 10pips |
| 5万円 | 5,000pips | 500pips | 166.67pips | 100pips | 50pips |
表を見ると、同じ金額でも通貨数が多いほど必要なpipsは小さくなります。通貨数が大きいほど、少ない値動きで損益が大きく変わることも、この表から読み取れます。
円を含まない通貨ペアは、円換算にレートが必要
ユーロ/米ドルのように円を含まない通貨ペアでは、損益はまず決済通貨(右側の通貨)で計算されるため、円にするには別の通貨ペアのレートが必要です。このレートは常に変動するため、この記事では固定値の早見表を作りません。
決済通貨で計算してから円にする
円を含まない通貨ペアの損益の考え方は、「pips×1pipsの値幅(決済通貨)×通貨数」で決済通貨の損益を出し、それに決済通貨の円レートを掛けるというものです。たとえばユーロ/米ドルなら米ドル建てで出た損益を、米ドル/円のレートで円に直します。実際の口座で円へ換算されるレートやタイミングは、取引する会社のルールで確認してください。
換算レートは変動するので、計算ツールで確かめる
円換算に使うレートが動くと、同じpipsでも円換算の金額は変わります。円を含まない通貨ペアの円換算は、最新のレートを入れて計算できるFXピップ値計算機で確認すると、手計算の取り違えを防げます。
実際の損益が計算結果とずれる理由と、確認の進め方
この記事の式で求めるのは値動きだけの損益です。実際の損益は、スプレッド、手数料、スワップ、約定レートのずれなどで、計算結果と異なります。
スプレッドは損益から差し引かれるコスト
スプレッドは買値と売値の差で、取引のたびに実質的なコストとして損益に影響します。同じ値動きでも、スプレッドの分だけ利益は小さく、損失は大きくなる方向に働きます。往復コストをpipsと円で計算する方法はFXのスプレッドを解説した記事にまとめています。
手数料・スワップ・スリッページも別に確認する
取引会社や取引条件によって、手数料がかかる場合があります。ポジションを日をまたいで持てば、スワップ(金利差調整分)が受け取りにも支払いにもなりえます。注文時のレートと約定したレートがずれるスリッページも、実際の損益に影響します。これらは値動きの幅(pips)には含まれないため、損益を見積もるときは別に確認します。
計算結果は円の損益確認と数量の検討に使う
pipsと円の換算がつかめたら、損益を円で確認するときはFX利益損失計算機が使えます。損切り幅と許容できる損失額から数量を考えるときは、FXポジションサイズ計算機が役立ちます。いずれも計算結果は将来の成果を示すものではありません。FXは少額の資金で多額の取引ができるため、多額の損失を被る危険があると、金融先物取引業協会(FFAJ)の注意喚起でも示されています。
よくある質問(FAQ)
1万通貨で100pips動くと、何円の損益になりますか?
1pips=0.01円の会社で、円を含む通貨ペアなら、値動き分だけで±1万円です。計算は100pips×0.01円×1万通貨です。スプレッド・手数料・スワップは含まず、1pipsを0.001円とする会社では1,000円になります。
3万通貨・5万通貨なら何円になりますか?
1pips=0.01円の会社で100pipsの値動きなら、3万通貨で±3万円、5万通貨で±5万円です。1pipsあたりの円(通貨数×0.01円)にpipsを掛けて求められ、いずれも値動きだけの架空の計算で、実際の損益とは異なります。
63円は何pipsですか?
通貨数によって変わります。1pips=0.01円の会社で1万通貨なら63円÷100円=0.63pips、1,000通貨なら63円÷10円=6.3pipsです(架空の計算例)。円の金額だけではpipsが決まらないため、必ず通貨数と1pipsの値幅をあわせて確認します。
5万円は何pipsですか?
通貨数で決まり、1pips=0.01円の会社なら、1万通貨で500pips、5万通貨で100pips、10万通貨で50pipsです。損益の円を1pipsあたりの円で割る逆算で、利益でも損失でも幅は同じです。
円換算した金額は、そのまま実際の損益になりますか?
なりません。この記事の換算は値動きだけの計算で、スプレッド、手数料、スワップ、約定レートのずれを含まないためです。計算結果は将来の損益や成果を保証するものではないので、取引前に取引会社のルールとコストを確認してください。
まとめ
円を含む通貨ペアでは、1pipsが0.01円の会社なら「損益(円)=pips×0.01円×通貨数」で換算でき、円の損益をpipsにするときは「通貨数×0.01円」で割ります。どちらも値動きだけの計算で、実際の損益や将来の成果を示すものではありません。
- 換算式:損益(円)=pips×0.01円×通貨数。1万通貨なら1pipsあたり100円
- 逆算の式:pips=損益の大きさ(円)÷(通貨数×0.01円)
- 1pipsの定義:会社により0.01円と0.001円があり、同じpipsでも円換算が10倍違うため取引ルールで確認する
- 円を含まない通貨ペア:決済通貨で計算したうえで円レートが必要。レートは変動するため固定の表にはしない
- 実際の損益:スプレッド・手数料・スワップ・スリッページで計算結果とは異なる
まずは自分の取引会社の1pipsの値幅と、1ロットの通貨数を確認し、この記事の式で架空の数字を入れて試算してみてください。そのうえでFXピップ値計算機に同じ条件を入力して、手計算の結果を確かめましょう。








