FXナンピンシミュレーター|1カ月くり返した利確・含み損・ロスカットを動くチャートで体験

ナンピンは、持っているポジションが逆行したときに同じ方向へ買い増し(売り増し)して、平均取得価格を有利にする取引です。このページでは、軍資金・ロット・ナンピン回数・利確幅などを自分で決め、架空の値動きの上で「買う → 下がったら買い増す → 少し戻ったら利確 → また買う」を1日~30日くり返したとき、資金・含み損・証拠金維持率がどう動くかを確かめます。

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このシミュレーターで分かること

ナンピンをすると平均取得価格が下がり、少し戻っただけで利益が出るようになります。そのため、利確の回数は増えやすくなります。その一方で、持っている数量が増えるため、戻らずに下がり続けたときの損失の増え方も速くなります。シミュレーターでは、1回のトレードが終わっても条件に従って次のトレードを始め、1カ月の間に「小さな利確が何回あったか」「その途中で最大いくらの含み損を抱えたか」「ロスカットで何が起きたか」を、再生しながら追えるようにしています。

チャートは再生した時点までしか表示されません。売買の判断にも、その時点までの価格だけを使います。値動きはすべて乱数で作った架空のデータで、実際の過去の相場ではありません。値動きには番号があり、同じ番号を入れると同じ値動きを再現できます。

売買のルール

  • 新規の買い: 最初の時点の価格で、設定した数量を買います。
  • ナンピン: 売値が前回の約定から「ナンピン間隔」だけ下がるたびに買い増します。「最大ナンピン回数」は買い増しの回数で、最初の買いは含みません(ナンピン9回なら、最大10ポジション)。
  • 利確: 売値が「平均取得価格+利確幅」に届いたら、すべてのポジションを決済します。
  • 再エントリー: 利確した次の足(5分後)から、選んだ待ち時間のあとに新しく買います。1つの時点で新規の注文は1回だけです。
  • 停止: ロスカットになった場合と、新しく買う証拠金が足りない場合は、そこで取引を止めます。資金を補充して続けることはしません。

計算のしくみ:ロット・pips・平均取得価格・証拠金

1ロットが何通貨かは、FX会社や取引ツールによって違います。同じ「0.1ロット」でも、実際の数量と1pipsあたりの損益は次のように変わります(米ドル/円の場合)。

1ロットの通貨数0.1ロットの数量1pipsの損益
1万通貨1,000通貨10円
10万通貨10,000通貨100円
1,000通貨100通貨1円

円が決済通貨の通貨ペア(米ドル/円など)では1pips=0.01円、ユーロ/米ドルでは1pips=0.0001ドルです。ユーロ/米ドルの損益は米ドルで出るため、シミュレーターでは米ドル/円を150円に固定して円に直しています。

平均取得価格 =(数量 × 買値)の合計 ÷ 合計数量

含み損益 =(今の売値 − 平均取得価格)× 合計数量 × 円換算

必要証拠金 = 合計数量 × 今の売値 × 円換算 ÷ レバレッジ

証拠金維持率 = 有効証拠金(口座残高 + 含み損益)÷ 必要証拠金 × 100

買いは買値(売値+スプレッド)で約定し、評価は売値で行います。平均取得価格はこの買値の平均なので、利確幅はスプレッドを払ったあとの幅です。たとえば合計1,000通貨で利確幅10pipsなら、1回の利確の純損益は+100円です。チャート(売値)の上では、スプレッドの分だけ大きく動いてから決済されます。トレードの履歴には「価格差の損益 − スプレッド(+スワップ)= 純損益」の形で記録し、利確で確定した純損益は次のトレードの口座残高に繰り越します。

1カ月くり返した結果の例

初期条件(軍資金10万円、1回0.1ロット=1,000通貨、10pipsごとに同じ数量でナンピン最大9回、利確幅10pips、利確後は次の足ですぐ再エントリー、レバレッジ25倍、ロスカット水準100%、スプレッド0.2pips、値動きはランダム(方向なし)・30日)で、値動きの番号を変えて試した例です。

値動き No.12 では、利確を17回(合計 +4,100円)重ねたあと、8日目に下げが続いて9回のナンピンをすべて使い、ロスカットで 45,808円 の損失が出て取引が止まりました。最後の資金は 58,292円 です。同じ値動きで、ナンピンしない設定では 91,733円 でした。一方、No.2 では利確が143回続き、最後の資金は 137,616円 になりました(ナンピンしない設定は 103,798円)。

同じ条件で値動き No.1~100 の100通りを試すと、100通りのうち19通りでロスカットになりました(ナンピンしない設定は0通り)。最後の資金の平均は96,284円、中央値は102,373円(ナンピンしない設定は平均99,861円・中央値100,493円)で、軍資金より増えたのは52通りです。

中央値が平均より高いのは、多くの値動きで小さな利確が積み重なって少し増える一方、ロスカットになった少数の値動きで大きく減り、それが平均を引き下げているためです。ナンピンは「うまくいく回数」を増やす代わりに、まれな大きな損失を抱える形に結果を並べ替えます。1本の値動きの結果だけで、良し悪しを判断することはできません。

値動きの種類を「上昇トレンド」や「もみ合い」にするとナンピンの結果は良くなり、「下落トレンド」や「急落を含む」にすると大きく悪くなります。どの種類の値動きになるかは事前には分からないため、シミュレーターの結果を将来の成績の目安にすることはできません。

下がり続けると、ロスカットまでの値幅はどれだけ縮むか

初期条件で、米ドル/円が150円からまっすぐ下がり続けた場合です(利確・再エントリーなし)。

最大ナンピン回数合計数量ロスカットまでの下落幅確定する損失
0回(ナンピンなし)1,000通貨9,791pips97,917円
2回3,000通貨2,857pips85,429円
4回5,000通貨1,479pips72,958円
9回10,000通貨463pips41,853円
14回15,000通貨142pips10,853円

ナンピンを最大9回まで行うと、150円から約4.63円(463pips)下がった145.37円付近でロスカットになり、41,853円の損失が確定します。ナンピンしなければ、同じ145.37円まで下がっても含み損は約4,635円で、ロスカットまでにはまだ大きな余裕があります。最大ナンピン回数を14回以上にすると、15回目のナンピンの前の142pipsの下落でロスカットになります。ランダムな値動きでも、1日に数十pips上下することは珍しくないため、1カ月の中で数百pipsの下げが続く場面は起こりえます。

表の「確定する損失」は、数量が多いほど小さく見えます。これは損が軽いという意味ではなく、早い段階(小さな下落)でロスカットになり、その時点の必要証拠金ぶんが口座に残るためです。比べるべきなのは「どれだけ下がったら終わるか」で、ナンピンの回数が増えるほど、その値幅は急に短くなります。

1ロットの通貨数と証拠金不足

1ロットを10万通貨とする取引ツールでは、0.1ロットは10,000通貨です。米ドル/円150円・レバレッジ25倍なら必要証拠金は60,000円で、軍資金10万円では1回目のナンピン(必要証拠金の合計が約12万円)ができません。シミュレーターでは、このように証拠金が足りずにナンピンできなかった回数を「証拠金不足で見送り」として数え、チャートと履歴に表示します。

このページの前提(単純化していること)

  • 価格は乱数で作った架空のデータです(5分ごと、1日の標準的な上下幅は約60pips)。実際の過去の相場や、将来の値動きを表すものではありません。
  • 扱うのは買いのナンピンだけです。売りのナンピンは、価格の上下を逆にして考えると同じ計算になります。
  • 価格は5分ごとの点の間を直線的に動くとみなし、ナンピン・ロスカット・利確はその途中の価格で約定させています。実際は急な値動きのときに約定する価格がずれ(スリッページ)、ロスカットの損失が大きくなったり、口座残高がマイナスになったりすることがあります。
  • 必要証拠金はその時点の価格で見直し、ロスカットは口座全体の証拠金維持率で判定します。スプレッドは一定で、スワップポイントは1日ごとに口座残高へ加えます。追証や、会社ごとの細かな規則は含みません。
  • レバレッジ・ロスカット水準・スプレッド・スワップポイントの値は例です。実際の条件は、取引する会社の公式情報で確認してください。

よくある質問

利確の回数が多ければ、ナンピンはうまくいっているのですか?
利確の回数が多くても、1回のロスカットでそれまでの利益を上回る損失が出ることがあります。勝った回数ではなく、最大の含み損・最大ドローダウン・ロスカットの割合を合わせて見る必要があります。値動きの期待値が変わるわけではなく、結果の分布の形が変わるだけです。考え方はマーチンゲール法のシミュレーションとよく似ています。
ナンピン間隔を広げたり、回数を減らしたりすれば安全ですか?
間隔を広げる・数量を小さくする・最大ナンピン回数を減らすと、ロスカットまでの値幅は長くなります。そのぶん利確までの時間は長くなり、1回あたりの利益も小さくなりやすく、どこまで下がるかは分からないため「安全」とは言えません。損失を確定できずに買い増してしまう心理については損切りできない理由と対策、維持率とロスカットの関係はロスカットと証拠金維持率の解説も参考にしてください。

関連する実験・ツール

このページは、確率・期待値・ランダム性を理解するための学習用です。シミュレーションの結果は乱数によるもので、実行するたびに変わり、将来の結果を示すものではありません。特定の取引方法・金融商品をすすめるものではありません。

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