MT4・MT5のサーバー時間とは、利用している業者の取引サーバーが基準にしている時刻のことで、パソコンの時計とは別のものです。夏時間・冬時間の切り替えの有無や時期は業者ごとに違うため、固定の日付を覚えるのではなく、利用している業者の公式案内で確認してください。EAや時間指定を使っている人は、切り替えの前後にデモ口座などで時刻の表示を確かめておくと安心です。
この記事の前提:この記事は時刻設定を確認するための一般的な情報整理です。特定の業者の切り替え日を示すものではなく、特定のEA・通貨ペア・売買タイミングを勧めるものでもありません。日付や仕様は2026年10月13日時点で確認できた公式情報にもとづいており、変更される可能性があります。時刻の設定を誤ると、意図しない時刻に注文や処理が動いて損失につながる可能性があるため、最終的には必ず利用業者の公式案内で確認してください。
サーバー時間とは?パソコンの時間との違い
サーバー時間は「業者のトレードサーバーの時間帯で表示される時刻」で、パソコンの時計を直しても変わりません。まずこの区別を押さえると、チャートやEAの時刻がなぜ自分の感覚とずれて見えるのかを整理しやすくなります。
チャートや気配値の時刻はサーバー側の基準で表示される
MetaQuotes社のMetaTrader 5公式ヘルプでは、気配値表示(Market Watch)の最終気配の到着時刻は「業者の取引サーバーの時間帯」に従って表示されると説明されています(MetaTrader 5 ヘルプ:Market Watch)。同じページには、そのサーバーの時間帯が具体的に何であるかは書かれていません。つまり、どの時間帯で表示されるかは業者ごとに決まるもので、MT4・MT5の共通の固定値ではない、と読み取れます。
パソコンのローカル時間とは別の時刻
MQL5の公式リファレンスでは、TimeCurrent関数は「最後に受信した気配の時刻(サーバー時間)」を返し、その値は取引サーバー側で作られてパソコンの時刻設定に依存しないと説明されています(MQL5リファレンス:TimeCurrent、MT4用のMQL4リファレンスにも同趣旨の記載があります)。
一方で、パソコンのローカル時間を返すTimeLocal関数や、パソコンの夏時間設定を反映してGMTを計算するTimeGMT関数は、パソコン側の設定に左右されます。パソコンの時刻を日本時間に合わせていても、チャート上の時刻は業者のサーバー時間のまま、という関係です。
わかりやすい例え:サーバー時間は、海外の取引所の壁掛け時計のようなものです。自分の腕時計(パソコンの時計)をどれだけ正確に合わせても、壁掛け時計の表示は変わりません。ただし、この壁掛け時計の時差は業者ごとに設定が違い、時期によって動く場合もあります。
MT4の基本機能とあわせて知っておきたいこと
MT4・MT5の画面の見方や基本機能は、MT4とは?初心者向けに基本機能と使い方を中立解説で整理しています。この記事では、画面の基本ではなく「時刻の基準」に絞って確認項目をまとめます。
米国の夏時間終了とサーバー時間の関係(2026年は11月1日)
米国の夏時間は2026年11月1日午前2時(現地時間)に終わります。ただし、これは米国の制度上の日付であり、利用している業者のサーバー時間が同じ日に切り替わるとは限りません。
米国の夏時間の期間(NISTの案内)
米国の国立標準技術研究所(NIST)は、夏時間を「3月の第2日曜日の午前2時に始まり、11月の第1日曜日の午前2時に終わる」と説明し、2026年は「3月8日午前2時(現地時間)から11月1日午前2時(現地時間)まで」と案内しています(NIST:Daylight Saving Time)。2026年11月1日は日曜日です。切り替えがMT4・MT5のサーバー時間にいつ反映されるかは、業者の案内で確認してください。
日本時間での見え方が変わる(架空の計算例)
米国東部時間の同じ時刻でも、夏時間と冬時間では日本時間の表示が1時間変わります。たとえば米国東部時間の午前8時30分は、夏時間なら日本時間21時30分、冬時間なら22時30分です。経済指標の発表時刻の見方は経済指標カレンダーの時間の見方|日本時間と夏時間・冬時間の確認ポイントで詳しく整理しています。
次の表は、サーバー時間の動き方が業者ごとに違うことを示す架空の計算例です。実在する業者の仕様ではありません。米国東部時間の午前8時30分に発表される指標が、サーバー時間でどう表示されるかを、仮定の2パターンで計算しています。
| 仮定 | 夏時間の期間 | 冬時間の期間 |
|---|---|---|
| 仮定A:米国の夏時間に連動して、夏はGMT+3、冬はGMT+2にする業者 | サーバー時間15時30分(日本時間21時30分) | サーバー時間15時30分(日本時間22時30分) |
| 仮定B:切り替えを行わず、年間を通してGMT+3の業者 | サーバー時間15時30分(日本時間21時30分) | サーバー時間16時30分(日本時間22時30分) |
仮定Aでは、米国東部時間の発表時刻がサーバー時間では季節が変わっても同じ表示のままで、日本時間との差だけが変わります。仮定Bでは、日本時間との差は変わらない一方で、サーバー時間での表示が1時間動きます。どちらの方式でも日本時間は同じ結果になりますが、チャートやEAの時刻はサーバー時間を基準にするため、方式の違いが表示の違いになって現れます。
なお、GMT+2・GMT+3という表し方や、日本時間との差が夏冬で6時間・7時間と変わる説明は、国内FX業者の公式な解説にも見られます。実際の時差や切り替え時期は業者ごとに異なるため、利用業者の案内で確認してください。
切り替え時期は米国・欧州・業者で揃わないことがある
2026年の英国の夏時間は10月25日に終わります(GOV.UK:When do the clocks change)。米国の11月1日より1週間早く、地域によって切り替え日が違う年があります。業者がどの地域の夏時間に合わせるか、またいつから切り替えるかは業者の方針によるため、「米国が11月1日だから今週末に変わる」と決めつけないようにしてください。
切り替え前後に起こりうる3つのずれ:日足の区切り・EA・指標時刻
サーバー時間の基準が動く場合、影響が出やすいのは日足の区切り、EAの時間指定、指標時刻の読み替えの3つです。ずれが起きるかどうかは業者の方式や設定次第なので、「必ず起こる」ではなく「確認しておく項目」として整理します。
日足の区切りの時刻
日足は、サーバー時間の0時を境に1本ができるのが一般的な使い方で、その区切りが日本時間の何時にあたるかは、サーバー時間の基準によって変わります。たとえば、業者が日足の区切りを米国東部時間の17時(ニューヨーククローズ)に合わせている場合、日本時間では夏時間の期間は朝6時、冬時間の期間は朝7時にあたります(米国東部の夏時間はUTC-4、冬時間はUTC-5として計算)。この方式では、日足の区切りは日本時間で見ると1時間動きます。
一方、サーバー時間を固定している業者では、日足の区切りの考え方が異なる可能性があります。どちらの方式かは業者ごとに違うため、日足の始値や高値・安値を判断に使っている人は、切り替えの前後で日足の始まる時刻が同じかどうかを、時間足を細かくしたチャートで確認してください。
EAや時間指定のずれ
EAのなかには「サーバー時間の○時から○時まで動かす」「GMTとの時差を入力する」といった時間のパラメータを持つものがあります。パラメータの意味(サーバー時間基準か、GMT基準か、パソコン基準か)や、切り替えのたびに入力し直す必要があるかどうかは、EAの仕様次第です。EAの説明書や設定画面で確認し、よくわからないままEAの時間設定を放置しないようにしてください。
なお、MQL5のTimeGMT関数は、パソコンの夏時間設定を使ってGMTを計算し、ストラテジーテスターではシミュレートしたサーバー時間と一致すると説明されています。EAを自分でプログラムする場合は、どの関数がどの時刻を返すか(サーバー時間、パソコンの時刻、GMT)を公式リファレンスで確かめてください。
指標時刻の表示のずれ
経済指標カレンダーを見ながら取引する人は、カレンダーが日本時間表示なのか、チャートがサーバー時間表示なのかを区別して読む必要があります。切り替えの前後は、表示のしかたが日本時間とサーバー時間で一時的にずれることがあります。指標発表の時刻を取引の判断に使う場合は、チャートの時刻と発表時刻の読み替えを事前に練習しておくと、慌てずに済みます。
切り替えの前後に確認する項目と手順
確認の基本は、公式の案内で「いつ・どう変わるか」を確かめ、自分の環境で「実際にどう表示されるか」を確かめるという2段階です。次の表で、確認する項目と確認先を一覧にします。
| 確認する項目 | 確認の内容 | 確認先 |
|---|---|---|
| サーバー時間の基準 | GMTとの時差、夏時間・冬時間の切り替えの有無 | 利用業者の公式サイト(取引時間・MT4/MT5の案内ページ) |
| 切り替えの日程 | 今回の切り替えがいつ反映されるか | 業者のお知らせ、サポートの案内 |
| 日足の区切り | 日足の始まる時刻が前と同じか | 自分のチャート(時間足を細かくして確認) |
| EAの時間パラメータ | 時刻の基準と、入力し直しの要否 | EAの説明書・設定画面 |
| 注文の時間指定 | 有効期限などの時刻がどの基準で扱われるか | 業者・プラットフォームの案内 |
業者の公式案内で確認すること
国内FX業者の多くは、公式サイトに取引時間やMT4・MT5の利用案内を掲載しています。「サーバー時間」「表示時間」「夏時間」「冬時間」などで公式サイト内を探すと見つかる場合があります。見つからないときは、サポートへ問い合わせて、書面やメールで残る形の案内をもらっておくと確認しやすくなります。
自分の環境で表示を確かめる手順
- 切り替えの前に、気配値表示やチャートの最新のローソク足の時刻を、日本時間と並べて書き留める。
- 業者の案内で、切り替えが反映される日時を確認する。
- 切り替えの後に、同じ画面の時刻と日足の区切りが、案内のとおりに変わったかを確認する。
- EAや時間指定を使っている場合は、動く時刻が意図した時刻のままかを確認する。
デモ口座で確かめるときの考え方
実際の資金を使わずに時刻の表示だけを確かめたい場合は、デモ口座が使えます。ただし、デモ口座のサーバーが実取引口座と同じ時間設定とは限らないため、デモ口座で確認した結果を、そのまま実取引口座の結果として扱わないでください。デモ口座の特徴や実取引との違いは、MT4デモ口座で学べること|実取引との違い・証拠金の見方・提供終了の注意点を解説が参考になります。
間違えやすい点と、安全に進めるための考え方
時刻の設定は「いつ切り替わるか」を覚えるよりも、「どこで確認するか」を決めておくほうが安全です。次の点を押さえてください。
よくある思い違い
- 米国の夏時間の終了日と業者の切り替え日は同じとは限らない:NISTが案内するのは米国の制度上の日付で、業者のサーバー時間の切り替え日ではありません。
- パソコンの時刻を直してもチャートの時刻は変わらない:チャートや気配値の時刻は、業者のサーバー時間で表示されます。
- MT4とMT5で同じ業者でもサーバーが同じとは限らない:口座ごと、サーバーごとに設定が違う場合があるため、口座単位で案内を確認してください。
- ネット上の「切り替え日一覧」を鵜呑みにしない:業者ごとに方針が違い、年によっても変わりうるため、日付の一覧は参考にとどめ、公式案内で確かめてください。
切り替え前後の取引に関するリスクの考え方
注意:時刻の表示や基準が変わる時期は、チャートの時刻を読み違えたり、EAの時間設定がずれたりする可能性があります。そのまま取引すると、意図しない時刻に注文が出る、損切りの判断を誤るといった損失につながるおそれがあります。時刻の確認が済んでいない状態で取引や自動売買を続けるかどうかは、ご自身の資金状況とリスク許容度に応じて慎重に判断してください。この記事は特定の取引を勧めるものではありません。
MT4のサービス提供の動向とMT5への移行を考えている場合は、MT4サービス終了はなぜ相次ぐ?MT5移行前に確認したいポイントも合わせて確認してください。移行先の口座では、サーバー時間の基準が現在と異なる可能性があるため、移行時にも時刻の確認項目に入れておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
サーバー時間とパソコンの時間は、どちらを見ればよいですか。
チャートや気配値の時刻はサーバー時間で表示されるため、チャート上の時刻を読むときは、パソコンの時間ではなくサーバー時間を基準に考えてください。MQL5の公式リファレンスでは、TimeCurrent関数が返すサーバー時間は取引サーバー側で作られ、パソコンの時刻設定に依存しないと説明されています。パソコンの時計は日本時間などに合わせたままで構いませんが、チャートの時刻との読み替えは必要です。
冬時間になると、チャートの時刻は1時間ずれますか。
業者の方式によります。夏時間・冬時間に合わせてサーバー時間を動かす業者では、日本時間との差が変わります。切り替えを行わない業者では、サーバー時間は動かず、米国東部時間の発表時刻などとの対応がずれて見えます。どちらの方式かは、利用業者の公式案内で確認してください。
自分の業者の切り替え時期は、どこで確認できますか。
業者の公式サイトの取引時間やMT4・MT5の案内、お知らせ、サポートへの問い合わせで確認できます。切り替え日は業者ごとに違い、米国の夏時間終了日(2026年は11月1日)と一致するとは限りません。ネット上の日付の一覧だけで判断せず、利用している業者自身の案内で確かめてください。
日足の区切りがずれると、過去のチャートの見え方も変わりますか。
過去のローソク足は業者が提供する履歴データに基づくため、見え方がどうなるかは業者の履歴データの扱い次第で、一概にはいえません。日足の区切りを使って判断している人は、切り替えの前後で日足の始値・高値・安値が前と同じ基準で作られているか、チャートで確認することをおすすめします。
デモ口座で時刻の表示を確認すれば、実取引でも同じですか。
同じとは限りません。デモ口座のサーバーと実取引口座のサーバーで時間設定が違う場合があるためです。デモ口座は表示の確認の目安として使い、実取引口座については業者の案内で別に確かめてください。
まとめ
MT4・MT5のサーバー時間は業者の取引サーバーの時間帯で表示される時刻で、切り替えの有無や時期は業者ごとに違います。固定の日付を覚えるのではなく、確認する場所と手順を決めておくことが大切です。
- サーバー時間はパソコンの時間とは別:チャートの時刻は業者のサーバー時間で表示されます。
- 米国の夏時間は2026年11月1日午前2時(現地時間)に終了:NISTの案内です。ただし業者のサーバー時間の切り替え日と同じとは限りません。
- 確認する項目は3つ:日足の区切り、EAの時間指定、指標時刻の読み替えです。
- 確認先は業者の公式案内:ネット上の切り替え日の一覧は参考にとどめます。
- デモ口座の結果は目安:実取引口座の設定は別に確認します。
次の一歩として、利用業者の公式案内で、サーバー時間の基準と今回の切り替えの日程を確かめ、切り替え前後に自分のチャートとEAの時刻表示をチェックしてください。この記事の内容は一般的な情報であり、取引の成果を保証するものではありません。









