中心極限定理をシミュレーションで体験|平均をとると正規分布に近づく

中心極限定理は、元の分布がどんな形でも、たくさんの値の平均をとると、その平均値の分布が正規分布に近づくという性質です。このページでは元の分布と平均する個数nを選び、平均値のヒストグラムがどう変わるかを実験で確かめます。

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しくみ:平均値の分布は細く、つりがね型になる

平均μ・標準偏差σの分布から、互いに影響しないn個の値を取り出して平均をとります。これを何度もくり返すと、平均値そのものが1つの分布をつくります。中心極限定理は、nが大きいときこの分布が次の正規分布に近づくことを示しています。

平均値の分布 ≒ 平均 μ・標準偏差 σ ÷ √n の正規分布

ポイントは2つあります。1つは、平均値の中心は元の平均μのまま動かないこと。もう1つは、ばらつき(標準誤差と呼びます)がσの1/√nに小さくなることです。nを4倍にするとばらつきは半分、100倍にすると10分の1になります。

形が正規分布に近づくので、「平均値のおよそ95%は μ ± 1.96 × σ/√n の範囲に入る」といった計算ができるようになります。STEP 2の「±1.96σ/√nに入った割合」が95.0%に近いかどうかで、近づき具合を確かめられます。

表:nを増やしたときの変化

n1/√nサイコロの平均のσ指数分布の平均の歪み
111.712.00
40.50.851.00
160.250.430.50
49約0.140.240.29

サイコロの目の標準偏差は約1.71です。「歪み」は歪度という左右の偏りの指標で、0なら左右対称です。右に偏った指数分布は歪度2ですが、n個の平均では2/√nに小さくなり、形が左右対称に近づきます。ただし49個平均しても0.29残るので、元の偏りが強いほど、正規分布とみなすにはnを大きくとる必要があります。

0か1の分布(1が出る確率20%)も試してみてください。nが小さいうちは平均値がとびとびの値しかとらず、正規分布とはかなり違って見えます。n回中の1の回数は二項分布に従い、nを増やすとこちらも正規分布に近づきます。サイコロの和が個数を増やすとつりがね型になる様子はサイコロの和のページでも見られます。

大数の法則との違い

大数の法則は、nを増やすと平均値が真の平均μに近づいていく、という「行き先」の話です。中心極限定理は、その途中で平均値が真の平均のまわりに「どんな形・どれくらいの幅で」散らばるかを教えてくれます。大数の法則だけでは、100個の平均が真の値からどれくらい外れうるかは分かりませんが、中心極限定理を使うと σ/√100 を目安に、確率つきの幅で答えられます。

前提(単純化していること)

このページの実験は、毎回の値が同じ分布から互いに影響せずに出る(独立で同じ分布)ことを前提にしています。値どうしが強く関係している場合や、標準偏差が定まらないほど極端な値が出る分布では、平均をとっても正規分布に近づかないことがあります。

ヒストグラムは乱数による実験なので、回数が少ないと形がでこぼこになります。1,000回・5,000回と増やして、線(正規分布)との重なり方を見てください。正規分布そのものの読み方は標準偏差と正規分布のページで扱っています。

よくある質問

nはいくつあれば正規分布とみなせますか?
元の分布の形しだいで、決まった答えはありません。左右対称な一様分布やサイコロなら数個でもかなり近くなりますが、強く偏った分布では数十個でも偏りが残ります。「30個あれば十分」という目安を見かけることもありますが、STEP 2で指数分布と0か1の分布を比べると、足りない場合があることが分かります。
元のデータ自体も正規分布になるのですか?
なりません。正規分布に近づくのは「平均値の分布」です。サイコロの目は何回振っても1~6が同じ割合で出る分布のままで、STEP 2の上の小さなグラフ(元の分布)は変わりません。

関連する実験・ツール

このページは、確率・期待値・ランダム性を理解するための学習用です。シミュレーションの結果は乱数によるもので、実行するたびに変わり、将来の結果を示すものではありません。

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