- Home
- ギャンブラーの誤謬とは?「そろそろ出るはず」を確率実験で確かめる
ギャンブラーの誤謬とは?「そろそろ出るはず」を確率実験で確かめる
最終更新日:
同じ結果が何回も続くと「そろそろ反対が出るはず」と感じますが、コインやサイコロには前の結果の記憶がありません。このページでは、コインを何十万回も投げて「連続のあとに反対が出た割合」を実際に数え、独立した試行とはどういうことかを確かめられます。
シミュレーターを読み込んでいます…
ギャンブラーの誤謬とは
ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)は、「独立した試行で同じ結果が続いたら、次は反対の結果が出やすくなる」と考えてしまう思い込みです。ルーレットで赤が何回も続いたあとに「次は黒だろう」と考えたり、くじではずれが続いたあとに「そろそろ当たるはず」と考えたりするのが典型です。
公平なコインなら、表が何回続いたあとでも、次の1回で表が出る確率は50%、裏が出る確率も50%です。前の結果が次の結果に影響しないことを「独立」といいます。シミュレーターの集計表では、1回続いたあとも、8回続いたあとも、次に反対が出た割合が50%のまわりに集まることが確かめられます。
「5回続く確率は低い」のに、なぜ50%なのか
まだ1回も投げていない時点で「これから表が6回続く」確率は 1/2 を6回かけて1/64(約1.6%)です。しかし、表が5回続いたあとでは、最初の5回はもう起きた事実です。残っている不確かさは次の1回だけなので、確率は1/2に戻ります。
P(6回目が表 | 5回続けて表)=(1/64)÷(1/32)= 1/2
「連続は珍しい」という感覚そのものは正しいのですが、それは始める前に考えたときの話です。途中まで起きたことを条件にすると、次の1回の確率は変わりません。
長い連続は、思ったよりよく起こる
人が「でたらめ」な並びを作ろうとすると、同じ面が続くのを避けて、表と裏をこまめに切り替えがちです。ところが本物のランダムな並びには、意外なほど長い連続が含まれます。公平なコインを投げたとき、同じ面(表でも裏でも)が決まった回数以上続く所が1つ以上ある確率は次のとおりです。
| 同じ面の連続 | 50回投げたとき | 100回投げたとき |
|---|---|---|
| 5回以上 | 82.1% | 97.2% |
| 6回以上 | 54.4% | 80.7% |
| 7回以上 | 30.9% | 54.2% |
| 8回以上 | 16.2% | 31.5% |
100回投げると、6回以上の連続がある確率は約81%で、いちばん長い連続の平均は約7回です。「6回も続いたから何かおかしい」と感じる場面は、ランダムな並びではむしろふつうに起こります。シミュレーターのSTEP 3では、自分で作った並びと本物のランダムな並びの「切り替わりの割合」や「いちばん長い連続」を比べられます。
大数の法則との関係
「回数を増やすと表の割合は50%に近づく(大数の法則)なら、表が多すぎた分は裏で取り戻されるのでは?」と考える人もいます。しかし割合が50%に近づくのは、過去の偏りが打ち消されるからではなく、その後の大量の結果によって過去の偏りが薄まっていくからです。表と裏の回数の差そのものは、回数を増やしてもむしろ大きくなることがよくあります。
この誤解は、負けたら賭け金を増やす方法の考え方にもつながります。連敗のあとでも次に勝つ確率は変わらないので、賭け金を増やしても1回ごとの期待値は同じです(マーチンゲール法のシミュレーター)。値動きのチャートで「ずっと上がったからそろそろ下がる」と考えるのも同じ構造です(ランダムウォークのページ)。
このページの前提(単純化していること)
- コインは表と裏が50%ずつで、毎回の結果は独立しているものとしています。乱数はブラウザの疑似乱数で作っています。
- 実際の道具(ゆがんだサイコロなど)では確率そのものが50%でないことはありえますが、その場合も「続いたから反対が出やすくなる」わけではありません。
- 集計は「直前の k 回が同じ面だった場面」をすべて数えています。8回続いた場面は、7回続いた場面にも数えられます。
よくある質問
- 逆に「続いている方がまた出やすい」ということはありますか?
- 公平で独立した試行なら、それもありません。「流れ」や「つき」があるように感じるのは、ランダムな並びにも長い連続がよく含まれるためです。上の表のとおり、100回投げれば6回以上の連続がある確率は約81%です。
- 100万回投げても、ぴったり50%にならないのはなぜですか?
- 回数が有限なら、偶然のぶれが必ず残ります。集計表の割合が50%からわずかにずれるのはそのためで、ぶれの大きさは回数の平方根に反比例して小さくなります。グラフの縦の帯が、その回数で起こりうるぶれの目安(約95%の範囲)です。
関連する実験・ツール
このページは、確率・期待値・ランダム性を理解するための学習用です。シミュレーションの結果は乱数によるもので、実行するたびに変わり、将来の結果を示すものではありません。
